はやり目の感染力が超強力。大人での症状が強烈すぎる件。

突然の目やにが発症のサインだった
さかのぼること12月29日の朝、実家に預けていた息子の「目やにがひどい」と東京で入院中の私に連絡が入りました。前日夜までは何も症状がなかったので突然の症状でした。発症から3日目、退院後の私が実家に迎えに行くと、確かに目やにがアメ状でカチコチに目頭やまつげに張り付いているものの、目の腫れや充血はなく、病院が開いていないので様子をみることにしました。発症から6日目にかかりつけの小児科が開いたので受診すると、「風邪による目やにですね~」と言われ、抗菌点眼(クラビット0.5%)と飲み薬を処方されて終わりました。それでも、息子が朝起きたときに目が痛いというので1月5日は保育園を念のため休み、翌日夜から遠方の夫の実家に行って3連休をゆっくり過ごしていたのですが、相変わらず目やにが止まらず、わずかに充血や目の腫れもありました。
周囲に感染したことではやり目だったと判明
連休明けの10日、今度は私の右目にゴロゴロした違和感が発生しました。それが徐々に強烈になり、充血も発生したので、これはヤバいと思い、12日に小児科と眼科もある大きめの病院を息子を連れて行くと、息子は頑なに目を開けずに泣き叫んでしまい診察不可能でしたが、先生が私の目を一目見るなり「はやり目」の疑いが強いと言い、息子にはステロイド点眼(フルメトロン0.02 %)が処方されました。同じ日に私も近くの眼科に行き、はやり目だと検査するまでもなく診断され、フルメトロン0.1%とクラビット1.5%の2種類の点眼を処方されました。すでにこの時点で息子は発症から2週間目ですのでもうウィルスはいなくなっているはずですが、朝起きると目の痛みを訴え大泣きし、1時間も目が開けられずにいるので、処方されたステロイド点眼を開始し、その週は保育園もお休みしました(保育園には私がはやり目と診断された時点で連絡を入れました)。

▲息子に処方されたフルメトロン0.02%。大人はは0.1%です。
感染力がすさまじい。治療法がなくので全力で感染予防を!
はやり目の潜伏期(感染しても症状がない期間)は1~2週間です。実家で息子と過ごした母や兄弟も年明け数日後に発症し、さらに私から数日遅れで夫も両目で発症し、その数日後、夫の父も発症しました。このはやり目の正体はアデノウィルスというやつで、これが超タフなのです。空気感染はせず、多くは感染者の手指から感染します。例えば感染者が目を掻いた手でドアノブをさわると、そこについたアデノウィルスはそのまま10日は生き続けるので、誰かがそのドアノブをさわった手で目を触ると感染リスクがあります。プラスチックや布に付いた場合も同様なので、オモチャ、テーブル、ソファ、服などありとあらゆるところでウィルスが生き続けます。アデノウィルスは80%エタノール(よくある消毒用エタノールは70%です)でも10分間も生存したという報告もあるほど強い生命力があります。感染者がお子さんであれば、周りの大人が手洗いをまめにして、タオルも別の物も使用し(ティッシュタイプの紙タオルがおすすめ)、裸眼の方でも伊達メガネをするなどして無意識にでも絶対に目を触らないように細心の注意を払う必要があります。お風呂のお湯からでも感染するので、おこさんが感染している場合は大人はお湯につからずにシャワーのみにしましょう。大人が感染した場合も、お子さんにうつさないように同様に行動する必要があります。
もし感染してしまったら・・・
新生児や乳幼児は重症化することがあるので、目に異変を感じたらすぐに小児科か眼科を受診しましょう。重症化すると偽膜性結膜炎になり、細菌感染を起こして角膜に穴が開くこともあるので要注意です。偽膜ができているかどうかは、アカンベーをしたときに見える白目部分(ふだん下まぶたに隠れている部分)がブヨブヨしているかどうかみてみてください。ひどい場合は目全体が偽膜に覆われて白っぽくなってしまうこともあります(そうなると偽膜除去が必要)。幸い息子の症状は見た目上は、偽膜もなく、充血、腫れ程度だったようですが、われわれ大人の方は重症でした。24時間猛烈な異物感、目は痛く涙はでて、視界はかすみ、偽膜もでき、本当に拷問のような日々を過ごすことになりました。治療法はなく、眼科ではステロイド点眼(フルメトロン)でかゆみを抑え、抗菌点眼(クラビット)で細菌の二次感染を防ぐという処置をされます。つまり抗体ができるまで、ひたすらこのつらさを耐えしのぶしかないというわけです。
感染したら保育園や学校、会社に行っていいの?
はやり目(流行性角結膜炎)は学校保健安全法の学校感染症第3種に指定されており、医師により感染のおそれがないと診断されるまでは、登園・登校できないと法律で決まっています。はやり目と診断されたら、まずは園や学校に連絡し、症状がおさまったらお医者さんに「登園(校)許可書」を書いてもらい、それを園や学校に提出して、初めて登園・登校できるようになります。発症から7日以降でないと許可書をもらえないケースがほとんどかと思います(10日後という先生や、診断後7日という先生もいました)。ちなみに会社は出社停止という法律はありませんが、眼科の診療ガイドラインでは「本来は休むのがのぞましい」と記載されています。出社希望の場合は、上司の方と相談し、手洗いをこまめにする、ドアノブに直接手で触れない、共用スペースに触れないなど、同僚に感染させないように細心の注意をはらいましょう。
子どもの感染予防はとても難しいですが、大人は感染リスクを減らすことができます。
みなさまも私の二の舞にならないよう、ぜひぜひお気を付けください!

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