みなさんは「母子分離不安」という言葉をご存知ですか?
わりと最近になって息子の母子分離不安に気づいたタカエマです。
次男の出産直前に同僚ママたちと休日にプレイルーム付きのレストランへ行った時のこと。
同僚のお子さんたちは4~5才だったのですが、いちもくさんにプレイルームの遊具にかけだして知らない子ども達にまじって子どもだけで遊んでいました。
一方、息子だけはプレイルームの前で足が固まってしまいました。
私がプレイルームの中に一緒に入って、しかも息子から50㎝以内かつ見える距離にいることを要求するのです。
「前から母親べったりなことは気になっていたけど、息子は他の子どもとはちがうのかも」
と息子と同世代の子どもとの決定的な違いに気づいた瞬間でした。
その直前に聞いた、子どもが小学校入学時に登校拒否なってしまい夫婦で午前と午後の半休を取って授業に付き添っていた、という知人の話とつながったのです。
そこからはいつものようにモーレツに検索魔になって調べたところ、息子の症状が「母子分離不安」という不安障害のひとつではないかと思いいたりました。
母子分離不安な息子の症状
息子について気になる(なっていた)ことを挙げてみます。
①朝、自宅で登園したくないと泣く
②登園して別れるとき、ママがいいと泣く
③公園・児童館で親がそばにいないと不安がる
④自宅トイレ・洗面所に1人で行くのを怖がる
⑤親とぴったり密着していないと寝られない
⑥お友だちの反応が気になり、新しい服で登園するのを嫌がる
⑦お友だちに描いた絵や持ち物を否定されたことを引きずる
⑧運動会や発表会の朝、うまくできないから行きたくないと泣く
⑨音やニオイや味に異常に敏感
⑩些細なことですぐにいじけてキレる
⑪親の死後の自分の生活を不安がる
①と②については私が育休中の現在はかなり落ちついてます。
仕事をお休み中は短時間保育なので息子にとっては安心なのでしょう。
⑪については、わたしが妊娠後期の頃にすごい頻度で、親が死んだらという過程で話し出しては泣くので困ってしまいました。
「もしパパとママがしんだら、りょうりのつくりかたも、ぱそこんのやりかたもわからないのにどうすればいいの?」
と親が死んだら自活しなければと思っているようで、不安で泣くのです。
「もしパパとママがしんだら、おおさか(祖父母宅)にいくね。でもどうやってれんらくしたらいいの?」
とも繰り返しいっていました。
第二子をVBAC予定だったので、私に何かあることを予言しているのではないかと内心とても怖くなりました。
そんなすぐに死んだりしないよと繰り返し伝えても、「もし」という過程で延々と泣きながら話すので、とても心配でした。
親ができること。まず不安障害を知ろう
息子が母子分離不安という不安障害じゃないかと気づき、まずは近藤直司先生の『不安障害の子どもたち』をよんでみました。
あてはまる症状の具体例や実際の症例と治療経過が詳しく書かれているので、悩んでいる方は読んでみるとすっきりすると思います。
この本によると、こどもの分離不安障害とは、養育者との別れに対する不安が年齢不相応に強く、生活に支障が生じるもの、とのこと。
わたしもはじめてこの本で知ったのですが、WHOの国際疾病分類・第10版(ICD-10)にも小児(児童)期の分離不安障害として定義されている、れっきとした病気なんですね。
この本の中で具体例があげられていて、例えば、
●1人で寝られない
●養育者が死ぬことを恐れる
●別れ際に大泣きする
●親と一緒にいたがる
●強い甘え、赤ちゃん返りがある
などは息子に当てはまっていました。
ICD10は国際的な分類なので、母子の関係が近くて母への甘えを良しとする日本では、あまり深刻な問題ととらえられない傾向にある、とのことでなるほどと思いました。
原因は解明されていませんが、本人の生まれ持った気質や養育の仕方、環境などに左右されるようです。
治療法はプレイセラピーからはじまり、最終的には薬物療法までありますが、家族療法つまり親が不安障害について理解を深めて子どもをサポートする方法を見い出すことも治療方法のひとつです。
息子の分離不安の原因とわたしの対応
息子の分離不安は昨年4月に3才後半で転園したことがきっかけだったように思います。
生後10か月から通っていた前の園は小規模かついたれりつくせりの園で、クラスメイトも常に10人未満でした。
とても大人しいお友だちばかりで、息子がムードメーカーかつリーダーのような存在でした。
それが、転園すると1クラス30人近くいて、しかもほとんどが前年度からの持ち上がりで、すでにお友だちのコミュニティもできていました。
しかも当たりの強そうな子が結構そろっていました(笑)
大人の自分からみても、「い~れ~て~」というのにちょっと勇気いるな、と思ったほどです。
入園から1週間ほどで、朝の登園拒否がはじまってしまいました。
といっても、わたしもフルタイムで仕事をしている身。やすやすと休ませることはむずかしい。
結局、仕事を調整して週に何度かは4時台など早い時間に迎えにいく(会社PCを持ち帰って夜に仕事する)ことでお互いに折り合いをつけて乗り切ってきました。
それと「しんどくて、どうしてもいきたくない」というときには、丸1日会議がない日であれば熱がなくても休ませてあげる日をときどき設けました。
だだし、「今日だけね、明日はちゃんと行くんだよ」と約束させて。
とはいえ味をしめて翌日も「しんどいから・・・」と言い出すことはありましたが、「昨日休んじゃったからまた今度ね」となだめて習慣にならないようにしました。
あと、園が夕方に混合保育になるとき、本人が気持ちよく絵を描いていると「そんな色じゃないよ」と年中さんに言われるので落ち込んでしますことが年中あります。
そんなときは持って帰ってきた絵をほめたおしながら、「自由に好きないろにぬっていいんだよ。人とちがうことはとても大事なことなんだよ」と励ましています。
あとは、息子が落ち込みやすかったり、とても気にしいな気質であることを、具体的なエピソードをまじえて積極的に園の先生に伝えることにしました。
ただでさえ食物アレルギーで多大な配慮をしていただいているのに、親身になって対応してくれる先生方にはとても救われています。
こういうネガティブなことを他人に伝えるのは勇気がいりますし、言い方にも気を遣いますが、言わないでモヤモヤするよりは伝える方がはるかにいいと実体験から学びました。
言っても変わらないかもしれないけど、言わなかったら絶対に変わらないですからね。
近場で受診・相談してみた
先ほど紹介した『不安障害の子どもたち』でも発症年齢が低く診断が遅れるほど長引く傾向とあったし、そのあと読んだ『こころの医学事典』にも3才以降で症状が手におえない場合は保健士か児童精神科医に相談するようにとありました。
そんな時、次男に区の助産師訪問があり、あまりに手のかからない次男なので長男のことばかり相談してしまっていました。
すると最寄りの保健センターで週に1回心理士が来るという有益な情報をゲットしたので、さっそく電話してアポを取りました。
心理士さんとの面談では、特に気にする必要はないけれど、人よりも敏感で他の人にとっては些細なことを深刻に受け止めてしまう気質なことは間違いない、とのことでした。
親の対応としては、やはりよく子どもの話を聞いてあげて、共感するという姿勢がベストで、保育園にも話しておく方がよいとのことで、特に今わたしがしている対応で改善ポイントはないとのことでした。
「気になるようなら念のため」という感じで区の発達支援センターのパンフレットをいただきましたが初回の予約が数か月待ちとのことなので、近くで受診できるところがないか調べてみました。
幸運にも近くの小児科に、こころの相談をできる小児科医が月1回来ているとのことだったので、さっそく行ってみました。
とても混んでいる小児科なので、今までの症状とエピソードを箇条書きにした紙を持参しました。(←この方法はとても歓迎されましたので受診される方はおすすめです)
先生とお話したところ、「病的なものではない」とのことでしたが、経過観察することになり月1回診てもらえることになりました。
親の対応としては、本人が満足するまでべったり甘えさせてあげた方がよい、とのことでした。
ただし、かんしゃくをおこしてしまうことであっても、無理なことは無理で押し通すことも必要とのことでした。
例えば最近、朝の登園前に『ジャッキーのパン屋さん』を呼んだ息子が、今すぐわたしの手作りパンを食べたくなり、「夕方に帰ってきたらね」との妥協案をかたくなに拒否して大泣きしたことがありました。
とうとう私が根負けしてパンをつくり、10時過ぎに登園することになってしまって、わたしがとてもイライラしていたので、結局それでまた息子が大泣きするという負のスパイラルに陥ったできごとでした。
こういったケースでは、本人がどんなに泣いたとしても、対応せずに登園を優先してよい、ということでした。
まぁ、考えてみると確かにそうですよね、泣けば何でもしてもらえると学んでしまって際限なくなってしまいますからね。ワーママという時間的制約が大きい環境では特にね。
病的ではないとのことで、初診では特に治療の話は出ませんでしたが、今後の経過次第なんでしょうかね。
いや~、親になるってつくづく試練が多いなぁと最近また身に染みて感じています。
子どもが生まれる前はのほほんとストレスフリーで生きていたな~と。
今1番の不安は一生治らないと言われている息子(長男)の牛乳アレルギー。微量でも命に関わるので毎日不安だらけ。
そして2番は同じく長男のこの不安障害。本には治癒すると書かれているのが救いですが。
同じように悩まれているパパママの参考になればと今後の経過も書いていきたいと思います。